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■海鳴りの伝説


突然 雨が降ってきた
僕は 地面になって 雨を浴びた
雨を浴びた僕は 子犬になって
身震い ひと振りするだろう

子犬は 地平線を眺めながら
星になる
星は 尾を引き 落ちてきて
砂になった

砂の上には 君一人しか居ない
でも空気は渇いていて
何時までたっても 君とは 無関係

無関係が 関係を装って
夜の街の ネオンになった
ネオンは 午前三時に 
大粒の涙を零すだろう
涙は 床に落ちる直前 朝もやになる

朝もやの中で 石畳に響くのは
君のハイヒールの音
脱ぎ捨てられた 赤いハイヒールは
鳥になって 二度と戻っては こない

ある時 僕は生きることにくたびれて
一本のネクタイになった
ネクタイは 他人の首に つながれて
無様な 姿を さらけだす

でも その昔 星になった 子犬は
海になりたかった筈だ
海は 今日も 寂しい 呻きをあげ
君がやってくるのを 待っている





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