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■ガラス瓶の中の夜


珈琲カップの中に 顔がある
身体は 僕の手の届かない所
地球の裏側に 放り出されてしまっている

やりたい事もなかったが
やらなきゃならない事もなかった

貴女の言葉が 虹を放ち
彗星のように 砕け散ったら
僕の視覚は プリズムのように反射して
むなしく 色褪せてしまうだろう 

理性が地を這い
感覚すらが 地下に潜る
満天に咲き誇った 星達は
語られることのない神話のように
静かに輝きを失ってゆく 

この世に残った 最後のたいまつを
手にした貴女は 女王のように
夜にそっと抱えられたまま
夢を小皿に 並べはじめる

僕の部品を 残らず掻き集め
夜が明ける前に 組み立ててくれ
ゼンマイ仕掛けの 縫いぐるみが
宙返りを 繰り返す

夜が驚き 身を縮めたら
ガラスの小瓶に詰め込んで

僕から 貴女への 贈り物




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