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■憂鬱な抜け殻僕は 岸壁に立ち 空を見ていた 雲は 重く 憂鬱を指さしていた 波は 飛沫を スライドのように 空中に静止させたまま 鼓動なんて聞こえない 何万年も前に 腐敗して しまったに違いない 僕は ポケットから 君の影を取り出すと 威勢よく 放り投げた でも影は すぐに勢いを失い だらしなく宙を流れ落ちる 生命を握りしめても 魂に息を吹きかけても 虫けらのようには 愛に忠実になれない オモチャ箱の中の君の思い出達よ 自由に歩き出せ お前達を閉じ込めていた感傷は 水平線の彼方で 今 息を引き取った 両手を拡げ バランスを取ろうとする 僕の肉体共 精神などという醜い衣服を脱ぎ捨てて この空に舞い上がってみろ 中途半端なやさしさのせいで いつも不完全燃焼だったんだ 岸壁に立ち 空を見ているのは もう僕の抜け殻なんだ 
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