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■最後の晩餐


それは 拍手で始まった
コックは 残忍な笑みを浮かべ
あらゆる料理を
テーブルに並べたてた

ピアニストは 音楽を平らげようとして
ベートベンを喉に
詰まらせてしまった

詩人は ランボーのように
ナイフで切り
ボードレールのように
フォークを口に運んでいた

貴婦人達は ワインに酔い
話に花を咲かせていたが
肉食動物の悲しさには
気づいていない

魔術師が テーブルクロスを夜に変え
小皿を投げると それは
弾けて 星に変わった

晩餐会も 終わりに近づいていた
でも デザートを
口にする者は 誰もいない

人にはもっと 食べなければ
ならない物が沢山あって
誰も 席を立つことが出来なかった

僕は もう ずっと前に
食べることに 興味をなくしていて
じっと窓の外を 眺めていた

絵の具の滲む風景が みえた






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